陶淵明「形影神、神釈」 ― 2018年01月30日 19:54
松枝茂夫、和田武司訳注『陶淵明全集(上)』岩波書店、1990に次の詩がある。
甚念傷吾生 甚(はなは)だしく念(おも)えば吾(わ)が生(せい)を傷(きず)つけん、
正宣委運去 正(まさ)に宣(よろ)しく運(うん)に委(ゆだ)ね去(さ)るべし。
縦浪大化中 大化(たいか)の中(うち)に縦浪(しょうろう)し、
不喜亦不懼 喜(よろこ)ばず亦(ま)た懼(おそ)れず、
應盡便須盡 応(まさ)に尽(つ)くべくんば便(すなわ)ち須(すべから)く尽(つ)くべし、
無復獨多慮 復(ま)た独(ひと)り多(おお)く慮(おもんばか)ること無(な)かれ。
あれこれ思いつめるのは、かえって自分の生命をそこなうことになる。いずれも適当に運にまかせたほうがよい。
人生の大きな変化に身をまかせてただよい、喜ばずまた恐れず、この生命が尽きるものなら尽きるでよい。いまさらくよくよ思い悩むのはよしにしよう。
喜ばずは「愛好せず」の意と思われる。とすれば、人(余)生運にまかせ、思い悩むなとの託宣。若い人ではこうはいかないのかも知れないが、余生を生きる私にとっては心強い人生訓だ。
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